抵当権設定登記
抵当権とは、借入金を担保するために不動産に設定される権利です。簡単に言うと、住宅ローンを組む際に不動産を担保として金融機関などの債権者が設定する権利です。もし借主が返済をしなくなった場合、金融機関はその不動産を売却して融資したお金を優先的に回収することができます。これにより債権者はリスクを軽減することができるため、通常よりも低い金利で借入れが可能になります。
そして抵当権を設定するだけではなく、その権利を公示するために抵当権設定の登記も行います。この登記をすることで、その不動産に抵当権が設定されていることを第三者も知ることができるようになります。つまり、登記をしておくことで借主が他の金融機関から追加で借り入れることが難しくなるため、借入金の返済ができなくなった場合のリスクを減少させる役割を果たします。
この抵当権設定登記は誰が申請するのでしょうか。
それは登記のプロと言われている司法書士です。申請にあたって次のような業務を行っています。
1. **金融機関からの書類の預かり** 抵当権設定契約書、金融機関からの委任状など事前に受領し、誤りがないかチェックします。
2. **書類の作成** 登記申請書を作成し、借主からもらう委任状を準備しておきます。
3.**本人との面談** 借主の本人確認と登記の意思確認をし、委任状に署名押印をもらいます。
売買のときは決済当日にこの業務を行います。
4.**登記申請** その日のうちに法務局に登記の申請をします。
5.**完了書類のとりまとめ** 登記が完了した後は登記された内容に誤りがないか、法務局から発行された書類に不備がないか確認し、書類をとりまとめて借主にお届けします。
登記は本人申請が原則とされていますが、抵当権設定登記は借主本人が申請するには難しすぎます。
司法書士が行うことで、借主は自分で複雑な手続きを行う負担が軽減されます。実際には借主本人が自分で申請したいと思っても金融機関など債権者が許してくれません。
債権者としては高額の融資をし、不動産を担保にとったつもりだったものの登記がうまくいかなかったばっかりに無担保の融資になってしまった、というのは絶対に避けたいので、登記のプロである司法書士が申請代理人としてついていないと融資実行してくれません。
そもそも住宅ローンとは何か、というと自宅を取得するために必要な資金を借り入れるためのローンです。金融機関などの債権者は借主の返済能力に応じて金利や融資額を設定して融資を実行します。住宅ローンの種類には、変動金利型や固定金利型などがありますが、借主は自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
また、住宅ローンを利用する際には事前に返済計画を立て、自分がどの程度の負担を支払えるのかを明確にしておく必要があります。
住宅ローンの申請から抵当権設定登記完了までの一連の流れは、以下のようになります。
1. **事前審査** まず、金融機関等に相談し、事前審査を受けます。自身の収入や物件の評価を基に、融資可能かどうか判断されます。
2. **融資承認** 金融機関等から正式に融資の承認を受けると、契約書の作成に進みます。
3. **契約締結** 金利や返済期間、返済方法などを確認し、契約を締結します。
4. **抵当権設定登記** 司法書士に依頼して、抵当権設定登記に必要な書類が揃っているかどうか確認します。
5. **資金の受け取り** 金融機関等が融資を実行し、お金が振り込まれます。
期間としては数週間から1カ月程度を要するので、住宅ローンを組んで不動産の購入を検討されている方はこの手続きに時間がかかることを頭に入れておいてください。
住宅ローンには借換えといった、既存の借入れを新たな金融機関等にかえる手続きもあります。借換えにより次のようなメリットが考えられます。
1. **金利の低減** 金利の低い金融機関にかえることで、借入金利を含め返済総額が安くなる可能性があります。
2. **月々の返済負担軽減** 借入れで返済負担を軽減することができ、家計が楽になることが多いです。
3. **返済期間の短縮** 返済期間が短縮できることもあります。
借換え手続きは、まず現在の借入れの残高や条件を確認し、新しい金融機関を選定します。改めて事前審査を受け、承認を受けることができると新しい契約を締結します。その後、融資を実行してもらい、そのお金でこれまでの借入先にローンの残高をすべて返済し、それ以降は新しい金融機関に毎月の返済をしていく、ということになります。ここでも司法書士が抵当権設定登記と抵当権抹消登記を申請します。
不動産購入時の決済の場や、借換え手続きの際に同席している謎の人がいたら、われわれ司法書士です。
是非とも手続きにご協力いただけますようよろしくお願いします!